「他人の人生を生きるな」スティーブ・ジョブズが残した人生の歩き方

「他人の人生を生きるな」スティーブ・ジョブズが残した人生の歩き方

大きな時代の転換点。自分は何を求めているのか、自分はどんな人生を歩いていきたいのか、悩んでいる人にスティーブ・ジョブズが米スタンフォード大学の卒業式での伝説のスピーチから、人生の歩き方のヒントとなるメッセージをピックアップします。

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人生の歩き方

コロナが終わり、リモートワークが当たり前になり、勤務時間も勤務場所も選択肢が広がる。海外からの観光客が過去最高になったり、ドライバーや医師の働き方改革、10年に一度の「命に係わる」天候が当たり前のような異常気象が起こり、熊が人里に頻繁に現れ明らかに生態系が変わる・・・

などなど、刻々と日常は大きく変化し、気がついたら新しい時代に入っている。と感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな大きな変化の中で、これからは、人生は自分で作り、新しい時代に合わせて人生の歩き方を変えていく必要があります。昭和の経済成長・工業化社会の古い価値観はもう通用できません。

成長期から成熟期へ、工業化からポスト工業化へ。大きな時代の転換点、これからを生きるためのヒント、新しい時代の人生の歩き方を模索されている人も多いと思います。

変化の変化に対応して、古い価値観からの「自分イノベーション」をおすすめしています。
今までの、古い価値観に縛られた生き方働き方暮らし方を見直し、新しい時代に合った自分らしい人生の歩き方のヒントを様々な視点からお伝えしていきます。

今回は、スティーブ・ジョブズが米スタンフォード大学の卒業式で行った伝説のスピーチ。そして、そのスピーチを聞いた卒業生たちがどのように人生を歩んでいったか。

日本の新しい時代の転換期に、人生を歩んでいくためのヒントにフォーカスします。

スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチ

アップル創設者のスティーブ・ジョブズ氏の、2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行った伝説のスピーチ。

生い立ち、大学中退、創業したアップルをクビ、など様々な紆余曲折、がんと宣告され限られた人生の貴重な時間、その中で見出した人生の歩み方を、これから社会に巣立つ学生たちにアドバイスしています。

特に、次のスピーチは、時代の変化の中で人生の歩み方に悩んでいる日本人にとてもヒントになります。

あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。

この伝説のスピーチの中から、我々の人生の歩き方に、重要だと思われるメッセージを抜き出してみます。

限られている貴重な「人生の時間」を無駄にしない人生の歩き方

「人生の時間は限られている。他人の人生を生きることで時間を無駄にしてはいけない。」

このスピーチの1年前に、スティーブ・ジョブズはがんと診断され、闘病生活を送っていました。
医師から余命を宣告された彼だからこそ「人生の時間は限られている」と強いメッセージを込めています。

限られた「人生の時間」の貴重さに気づく

日常を健康に当たり前に過ごしていると、人生は有限であると意識することは中々ないと思います。

でも、人生には寿命があり、日常のその先に、何が起こるかわからない、人生は有限でいつか死ぬ。
生きている貴重な時間、限られた時間を無駄にしないための行動が必要です。

時間は無限にあるとなんとなく勘違いしていませんか。人生の時間は有限であり、意識しないと
あっという間に過ぎ去ってしまいます。時間が限られていると意識していないから、「人生の時間」の貴重さも感じられないし、「人生の時間」を無駄にしていることにも気づかない。

変化が激しく予測ができない時代には、「人生の時間」は限られていること、その貴重さに気付き、
限られた貴重な「人生の時間」を有意義に過ごす。本当にやりたいこと、やるべきことを優先することを大切にすべきだと思います。

常に時間に追われる毎日で人生の歩みを止めない

こちらの記事に書きましたが、「いつも時間に追われ続ける」毎日の連続で、人生の歩みを止めてしまう危険性があります。限られた「人生の時間」の歩き方にも大きな悪影響になりかねません。

【ワークシフト】未来の自分のために「 時間に追われる日々」から解放される | 新しい生き方働き方暮し方ブログ

https://atarashiihatarakikata.com/articles/8

働き方の未来がどう変化するか予測し、未来の自分のために、自分らしい働き方にシフトしていくかを提案しているワークシフトという本があります。 「人生100年時代・ライフシフト」を書かれたリンダ・グラットンさんの著書です。 その変化への対応として、自分の未来のために、「未来について考えていくことを後回しにし、手遅れになる」漫然と未来を迎える危険性 について、特に、大きな影響がある「いつも時間に追われ続ける未来」について考えていきます。

仕事とともに家事や育児を担う子供がいる共働き世帯では、女性は80%が時間貧困だそうです。

仕事、家事、育児、介護など様々な役割をこなすことが精いっぱいで、ストレスや疲労などで、モチベーションを持てず、「活力時間」が低下している人も多いようです。

しかも、スマホやSNSやゲームや動画配信などで可処分時間が奪われ、気づかないうちに、「人生の時間」をコントロールされてしまっています。

待っていれば時間が問題を解決してくれるという誤解

「人生の時間」を大切にしないでいると、自分にとって、様々な人生の問題が起きてきます。時間は無限にあると勝手に思み、そのままにしていると取り返しのつかない状態になる危険性があります。

こちらの記事に書いたように、経済成長時代のパラダイム(時代の思考)に囚われていると危険です。

「ものの見方、考え方」に影響する経済成長時代のパラダイム2 | 新しい生き方働き方暮し方ブログ

https://atarashiihatarakikata.com/articles/9

今、時代の大きな転換期に入っています。新しい時代に様々な変化をもたらしています。その変化に対応し、自分イノベーションを実行していくために、自分が囚われている古い価値観、ものの見方、考え方に影響している「経済成長時代のパラダイム」を新たな視点から考えていきます。

『待っていれば時間が問題を解決してくれる』という誤解。

経済成長の時代は、問題が起きても、社会全体の余裕度で、その問題を許容できていました。右肩上がりの時代は、待っていれば自然に業績は上がっていたので、問題による損失は、時間の経過で補填できていました。

21世紀のキャリア環境は、右肩上がりの経済成長が終わり、予期せぬ変化が常態化している時代と言えます。1990年代後半から、日本企業における撤退、売却、大規模なリストラが一般的になりました。これまでは時間が経てば問題が解決されることも多かったですが、現在は時間が経つほど問題が深刻化する傾向にあります。

時間が問題を解決してくれるという古い価値観に囚われ、問題を先送りしていると、問題が益々深刻化し、変化が激しい時代にその変化に対応できないリスクがあります。想定外の変化が当たり前な時代は、自分の理想とする人生を作り、その理想に向かってどう人生の歩き方をしていくか、待っているだけは、どんどん理想に遠のいてしまいます。

「他人の人生を生きる」な「自分の人生を生きよ」

ジョブズはこのスピーチの中で、社会や家族など周囲など、「他人が考えた結果」「他人の意見」に乗っかるのではなく、自分の内面の声に耳を傾け、自分らしく自分の人生を生きることを強く語っています。

「他人の人生を生きるな」それは、「自分の人生を生きよ」というメッセージ。
「与えられるままの人生を生きるな。自分の人生を歩め」とも言われているようにも感じます。

でも、他人の人生を生きてしまう人も多い現状。自分らしく、自分の人生を歩くために、その現状を認識することも大切だと思います。

意識していないと「他人の人生を生きてしまう」ことに気づかせる、他人モードと人が死ぬときに後悔することという視点でピックアップしました。

「他人モード」に脳がハイジャックされている

「他人モード」にハイジャックされた脳とは、直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVENという本の冒頭に書かれたショッキングな表現です。

「他人モード」にハイジャックされる要因として、作者の佐宗邦威さんは、膨大な業務、部下や顧客などの人間関係、様々な役割、ネット環境など大きなネットワークの中で生きていることを上げています。

膨大な業務に忙殺されている人、部下のマネジメント責任がある人、顧客の対応に追われる人、家事・育児・介護を抱える人……大きなネットワークのなかで生きる僕らの日々は、「他人モード」で占められている。何気ないソーシャルメディアの投稿をするときですら、「どうすればフォロワーたちを喜ばせ、『いいね!』を押してもらえるか」をつい考えている。

ふつうに生きていると、僕たちの脳はずっと「他人モード」になっており、「自分がどう感じるか」よりも、「どうすれば他人が満足するか」ばかりを考えている。

大きなネットワークの「他人モード」ばかりの日常のなかで、「自分モード」と呼べる時間が持てなくなってしまいます。

周りの期待に応えて、他者ばかりに思考リソースを振り向けているうちに「自分モード」への切り替えスイッチを見失ってしまったのだ。

「自分モード」のスイッチを切ったまま日々を過ごしていると、僕たちは「何がしたいのか」を思い出せなくなる。「君はどう思う?」と意見を求められても、そもそも「自分がどう思うのか」すら、よくわからなくなる。

「他人モード」に占領され、「自分モード」への切り替えすらできなくなることで、「自分がどう思うのか」すらわからなくなり、停滞感やモヤモヤ感を持つ人が増えています。

本の中では、「他人モード」に由来する停滞感、モヤモヤ感はネット時代に生きる人の「生活習慣病」と言っています。「他人モード」に占領されていると、自分らしい人生の歩き方さえ忘れてしまいます。

人が死ぬときに後悔すること

人生の時間を、「他人モード」に占領され、「自分モード」を犠牲にし続けるとどうなるのか?

人生が終わりになる瞬間の一番大きな後悔について書かれた本がありました。
長い間、オーストラリアで緩和的ケアの介護に従事した、ウェア・ブロニーさんが書かれた「死ぬ瞬間の5つの後悔」です。

多くの患者を看取った彼女が、死を覚悟したときに多くの人に共通する「後悔」、老若男女の「最期」の言葉をまとめています。ジョブズと同じように、「人生の時間」が終わりに近い方々の、本当の言葉です。

著者が在宅介護の仕事をする中で聞いた最も多い後悔は、「自分に正直な人生を生きればよかった」というものである。そして、自分に正直でいるためには勇気が必要なのである。

自分に正直であることを邪魔するのが、世間体や他人に期待されるとおりに生きてしまうこと。

グレースは死に直面してはじめて、やりたいことをやる強さを持てなかったことを後悔し、自分に腹を立てていた。世間体を気にして他人に期待されるとおりに生きてきたことは、自分で選んできた道である。先を恐れて何もできなかったことに気づいたのだ。

グレースは最期の日に「自分に正直に生きてちょうだい。他人にどう思われるかなんて気にしないで」という言葉を著者に遺した。

他人の期待に応えることばかり優先し、人は環境に染まりやすい、世間体(環境)を気にしていると、他人にどう思われるかばかりの人生の道を歩いてしまう。

後悔しないために今からできることを把握して、自分に正直に人生を歩みことの大切さを伝えています。

ドグマにとらわれ内面の声をかき消さない

「他人の人生」に人生を引きずられる要因として、ジョブズはドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれることを上げています。ドグマにとらわれることは、「他人の考えた結果」を生きていること。

ドグマにとらわれ「他人が考えた結果」を生きるな

ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きていることなのだから。

まさしく、昭和の経済成長時代のパラダイム(時代の思考)に影響を受け、古い価値観にとらわれていないか。「他人が考えた結果」「他人の意見」がにばかり意識を向け、それらが雑音になって、大切な自分の内面の声をかき消してしまう。

そうしているうちに、自分が何者かわからない、自分の人生を生きていない、自分らしい人生の歩き方を見失っているのではないでしょうか。

NHK BS放送で、「ドキュメンタリーWave:スティーブ・ジョブズの子どもたち ~ハングリーであれ 愚かであれ~」で、ジョブズのスピーチを現地で聞いた卒業生のその後を追ったドキュメンタリーが放送されました。

ジョブズの友人であるフェルナンデス氏がドグマについて、社会や周囲が引いたレールについて
語っています。

この国は、流れ作業のように、大学に行き、就職し、結婚して、家を買うことが幸せだという考えを植えつけるところがある。 ジョブズはそんなレールに乗るな。これが幸せに繋がるものではないと言いたかったんだ。

生き方やキャリアについて、個性を尊重し自由を重んじると思われるアメリカでも、社会や周囲が引いたレールに乗ることが、幸せだという考えを植えつけている。

日本では、経済成長時代からこのドグマを長く引きづっています。

「社会が引いたレールに従えば間違いない」人生は幸せになれる。

『良い高校に進み、良い大学に入れば、 一流企業に就職できるから幸せになれる』

『良い会社に入って一生懸命働けば、誰でも 経済成長と年功序列で賃金は上がり、定年時には、充分な退職金が出て、自分の家が持てる時代』

社会が引いたレール、ライフプランに従えばそれぞれ思い描く豊かさ幸せが得られた古いドグマです。

他人の意見で「内面の声」をかき消さない

変化の激しい時代、自分が求めていること、自分の内面の声に耳を傾け、「他人の人生」ではなく、自分らしい人生を歩いていくことができる時代です。

その内面の声の邪魔をするのが「他人の意見」。ジョブズは、他人の意見にばかりを気に取られると
雑音のように、心の声・内面の声をかき消すと警告しています。

他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい

自分の心は何を求めているかすでに分かっている。だから、その心の声に素直に従えばいいのだけれど、「他人の意見」が内面の声をかき消す。

自分の人生を生きていない、自分のやりたいことがわからない、自分の人生の歩き方が見つからないなど、悩んでいる人は、自分はどんな人生を歩んでいきたいのか、しっかりと自分の心の声と向き合う。

そのために、先ず、「内面の声」をかき消している「他人の意見」に邪魔をさせないことが大切だと思います。

まとめ

スティーブ・ジョブズが米スタンフォード大学の卒業式で行った伝説のスピーチの中から、
人生の歩き方のヒントとなるメッセージをピックアップしました。

「人生の時間」は限られている。貴重な人生の時間を他人の人生を生きることで無駄にしない。

まさしく、大きな時代の変化の中で、経済成長時代の古い価値観にとらわれ、「他人の人生」を歩いている人にストレートなメッセージです。

自分らしい人生を歩いていくために、経済成長時代のドグマにとらわれず、心の声に従って生きていく、自分の信じる勇気を持つ、背中を押してくれると思います。

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

この記事のライター

「okinawa未来カレッジ」は、誰もが自分らしい明日へ一歩を踏み出せる、 未来に向かって前進し、新しいライフサイクルを創り出すコミュニティーを目指します。

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