「ものの見方、考え方」に影響する経済成長時代のパラダイム2

「ものの見方、考え方」に影響する経済成長時代のパラダイム2

今、時代の大きな転換期に入り、新しい時代に様々な変化をもたらしています。その変化に対応し、自分イノベーションを実行していくために、自分が囚われている古い価値観、ものの見方、考え方に影響している「経済成長時代のパラダイム」を新たな視点から考えていきます。

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ものの見方・考え方

今、時代の大きな転換期に入っています。新しい時代になり、様々な変化をもたらしています。

その時代の変化に対応し、自分らしい幸せな人生を迎えるために、新しい生き方働き方暮らし方に向け、行動変容し、自分イノベーションが大切だと感じています。

自分イノベーションを実行していくためには、自分が囚われている思い込みを見直すこと。その思い込みによる、ものの見方、考え方を変えていくことが重要です。時代に合わない、狭いものの見方、考え方に気づき、修正拡大していく。

前回は、古い価値観に影響している高度経済成長時代のパラダイム(時代の思考)についてフォーカスしました。

今回は、ものの見方・考え方に強く影響している経済成長時代のパラダイムに関して考えていきます。

自分が囚わているものの見方、考え方は「時代の思考」に強く影響を受けている

自分イノベーションを実行していくために、自分が囚われている思い込み、ものの見方、考え方に気づくことはとても大切です。

その自分が囚わているお見込みとして、古い価値観にフォーカスし、直接的にも間接的にも、昭和の時代の「経済成長時代のパラダイム」に影響されていると記事にしました。

自分が囚われている古い価値観「経済成長時代のパラダイム」に気づく | 新しい生き方働き方暮し方ブログ

https://atarashiihatarakikata.com/articles/1

時代の大きな転換期に、新しい生き方働き方暮らし方に向け、行動変容し、自分イノベーションを実行していくために、自分が囚われている古い価値観「経済成長時代のパラダイム」に気づくことはとても大切です。

パラダイムとは、「ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み。規範。」、最大公約数的に「時代の思考を決める大きな枠組み」と解釈されています。

昭和の時代の代表的な「経済成長時代のパラダイム例」として、古い価値観に影響していると思われるパラダイムにフォーカスしました。

・経済的に豊かになり新しいモノを手に入れて幸せになる
・社会が引いたレールに従えば間違いない
・「みんな一緒」の一億総中流意識
・没個性で出る杭にならない
をご紹介しました。

右肩上がりの成長の中で、『社会が引いたレールに従えば間違いない』『「みんな一緒」の一億総中流意識』など、「時代の思考を決める大きな枠組み」は、日本全体で、最大公約数がとても大きい上に、40年以上に渡り続いたため、国や社会全体も、地域においても、学校や職場でも、家庭や周辺においても「経済成長時代のパラダイム」の影響はとても大きいと感じます。

しかも、時間的な影響として、『親子3代にわたり引きずっている』ため、経済成長時代のパラダイムは、とても広く根強く、ひとり一人の価値観や物の見方や捉え方に影響していると思います。 

だから、新しい時代に、自分らしい新しい生き方働き方暮らし方に向け、「自分イノベーション」を目指していくために、『没個性で出る杭にならない』など、古い価値観を抱えていると、行動変容の大きな壁になります。

このパラダイムは自分にとっての当たり前(常識などの固定観念・古い価値観)となり、思い込みとなってしまうので、現代のように、時代や環境の大きな変化が起きた時に、新しい時代の「新しいものの見方、考え方」に気づきづらいというリスクがあります。

だから、該当しそうな、自分が囚われている思い込みに影響されている「ものの見方・考え方」があればそれに気づくこと。それが、新しい人生への行動変容のはじめの一歩になると思います。

代表的な経済成長時代のパラダイム例2

前回は、元杉並区立和田中学校校長の藤原和博さんが書かれた「今から始める戦略的人生計画 35歳の教科書」という本から、自分自身の経験も合わせて、その代表的な経済成長時代のパラダイムをまとめてみました。

今回は、教育の視点だけでなく、公共政策、キャリア、などの切り口から、ものの見方・考え方に影響している経済成長時代のパラダイムをまとめてみました。

正解至上主義

学生時代から始まっている、日本の「正解至上主義」 「ジグソーパズル型」から「レゴ型」へ、学校・企業に求められる変化

https://logmi.jp/business/articles/327181

さまざまなフィールドを越境しながら人間理解を深め、 変化に強い組織づくりの新潮流を学ぶイベント「Unipos Conference 2022」。その中から今回は「学習は戦略に勝る ー学び、進化する学習組織のつくりかたー」のセッションの模様をお届けします。学習していく組織・変化していく組織はどのようにして作れるのか。本記事では、探究心を学生時代から始まっている「正解主義」「前例主義」の問題点について語られました。

日本の教育現場は、小学校の3年生ぐらいから、まず10年間以上にわたって「黙れ」っていうことを教えるんです。黙りなさいと。それから中学でも意見は言わない、私見は言うなと教えるんです。そして、極端な例ですけれども、高校で特に受験指導がきつい進学校では、現代国語の先生が「考えるな」とまで教えるんですね。考えちゃうと、4択問題を間違ってしまうということです。

受験を前提にした学校勉強では、与えられた問題・設問に対して、いかに早く効率的に正解を出すことが優秀。正解を出すこと=点を取ること、多くの良い点を取ることが優先されました。

偏差値を上げるために、平均点より効率よく多く点を取ることが絶対。
小中高の10年間を、ずっと正解主義で過ごしてしまっている生徒も多いのだと思います。

しかも、正解を覚える事ばかりに終始してしまい、その答えの意味さえ吟味しない。
自分の考え方や自分の意見は、禁止され拒否される。そんな毎日では、幅の広い「ものの見方」や「考え方」など持てるはずがありません。

「正解VS不正解」の二元論が心を損なう 正解以外は不正解という二元論的な考え方が蔓延し、
正解しか認ず、正解以外の人はダメ。正解を出せる人は、正解を出せない人を見下すような風潮が今でも根強く残っています。

いまだにある学歴偏重・大企業偏重でよい学校に行って良い会社に入るという、古い価値観、正解だけを追求している人も多い。その正解からはみ出さないように、しがみついている人、その正解からはみ出して疎外感を持った人も多いように思います。

経済成長はとっくに終わり、多様な価値観が広がっている現代社会。
正解のない出来事は日常茶飯で起きています。

人生設計にしても、多様な選択肢が広がっている中で、自分にとっての正解も一つではありません。

だから、正解は一つであるという思い込み、ものの見方・考え方を広げ、より良い答えを見出すために、「考えていく」ことが大切だと思います。

経済成長がすべてを解決してくれる

「団塊的・昭和的・高度成長期的」思考からの転換期

https://toyokeizai.net/articles/-/753823?page=6

前回の記事で述べている「“団塊世代的”な価値観」とはいったいどのような内実のものだろうか。私なりに整理すると、それは概ね以下のようなポイントに整理できる性格のものだ。これらはさほどの説明を要しないか…

“団塊的”価値観や行動様式とは、工業化が急速に進む昭和・高度成長期に適応的だった一つのモデルであり、それは全体として、「国を挙げての経済成長」という単一のゴールを目指して“集団で一本の道を登る”ような社会のありようと対応していた。

“団塊的”価値観や行動様式とは、工業化が急速に進む昭和・高度成長期の画一的な人生のモデル。そのために、国や社会全体で経済成長をという単一のゴールを目指す“集団で一本の道を登る”ような
ものの見方、考え方。

経済や人口が右肩上がりに、永続的に「限りない拡大・成長」を続けて、モノの豊かさに合わせて生活が豊かになることで、みんな一緒に幸せなるという、画一的な人生のルールが、当たり前だった時代の状況に対応するものだったと言えます。

現在の視点から見れば、それは“経済成長がすべての問題を解決する”という「経済成長至上主義」的な発想であり、そこには「環境」に対する配慮や「分配、格差」をめぐる問題への関心といったことはほぼ不在だった。

それが、現在は経済は停滞、人口も減少に転じている。個人の幸福感は薄れ、社会は分断、格差や孤立が深まっていく状況に追い込まれています。

だから今、必要なのは、「拡大・成長」に向けて“集団で一本の道を登る”という団塊的・昭和的・高度成長期的なものの見方、考え方である、経済至上主義的なパラダイムから脱却すること。

失われた30年とは、様々な社会課題もすべて「成長」によって解決されると考え、「環境」「分配、格差」など課題は先送りされた時代だったように思います。

相対的貧困がクローズアップされてまだ10年もたっていません。
人口減少、少子化、高齢化、賃金問題、社会保障費の圧迫、働き手不足など社会課題も益々深刻化しています。

気温上昇、線状降水帯による水害など100年に一度の異常気象が多発し命の危険にまで及び始めている。また、熊の都市部への出没が多発し、生態系が崩れ始めています。

日本人の幸福度はどんどん低下し、社会も分断され社会全体のつながり希薄化、経済を優先し法に違反しなければ何をしても構わない人も増加していると感じます。

経済成長がすべてを解決し、成長・拡大にばかりの「ものの見方・考え方」を修正していく時代です。

待っていれば時間が問題を解決してくれる

こちらの本では、
「右肩上がりの時代は、問題は時間が解決してくれた」と指摘しています。
21世紀のキャリア論 高橋俊介著 
https://str.toyokeizai.net/books/9784492533116/

経済成長の時代は、たとえ問題が起きても、社会全体、企業全体の余裕度・のりしろがあったので、その問題を許容できていました。

しかも、右肩上がりの時代は、待っていれば自然に業績は上がっていたので、問題による損失は、時間の経過で補填できていました。

だから、問題が起きても多少の問題なら、「待っていれば時間が問題を解決してくれる」という考え方になっていたと思います。

右肩上がりの経済では、待っていれば問題は時間が解決してくれたので、問題解決を先延ばしにする傾向がありました。だから、問題を直視せず、表面的で短期的なものの見方、考え方がはびこり、深い洞察力や問題解決力が育たなかったと言えます。

成長が期待できなくなった昨今では、時間の経過は問題を深刻化するだけである。

21世紀のキャリア環境は、右肩上がりの経済成長が終わり、予期せぬ変化が常態化している時代と言えます。1990年代後半から、日本企業における撤退、売却、大規模なリストラが一般的になりました。これまでは時間が経てば問題が解決されることも多かったですが、現在は時間が経つほど問題が深刻化する傾向にあります。

現代は、経済成長が終わり、右肩下がりの時代とも言われ、経済成長は停滞し、人口も減少し、様々な問題に直面しています。その様々な問題を、先送り先延ばしにしていくと、時間がたてばたつほど深刻化していきます。

このような状況では、時間だけでは問題が解決しないため、新しいアプローチや革新的な思考が求められています。解像度を上げ、中長期的なものの見方、多様な価値観を受け容れ、深い洞察力、真に解決すべき課題発見、など考え方が必要になってきています。

企業側だけの問題ではなく、個人も問題を先送りしていると、問題が益々深刻化していくこともありえます。

時間が問題を解決してくれるという古い思い込み、ものの見方・考え方に囚われていると、変化が激しい時代にその変化に対応できないリスクが大きいです。

まとめ

2回にわたり、自分が囚われている古い価値観、ものの見方、考え方に強く影響している「経済成長時代のパラダイム」についてみてきました。

昭和の時代の代表的な「経済成長時代のパラダイム例」として、

・経済的に豊かになり新しいモノを手に入れて幸せになる
・社会が引いたレールに従えば間違いない
・「みんな一緒」の一億総中流意識
・没個性で出る杭にならない
・正解至上主義
・経済成長がすべてを解決してくれる
・待っていれば時間が問題を解決してくれる

をクローズアップしてきました。

現代にも、古い思い込み、古いものの見方・考え方、古い価値観に、影響を与えるパラダイムはまだまだあると思います。

大切なことは、いかに我々は、当たり前だと思っていたことが、「パラダイム(時代の思考)」に影響を受けているかに気づくこと。その「パラダイム(時代の思考)考」が大きく変わろうとしている今こそ、その気づきを行動に変える良いチャンスでもあります。

21世紀のキャリア論 想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア

この記事のライター

「okinawa未来カレッジ」は、誰もが自分らしい明日へ一歩を踏み出せる、 未来に向かって前進し、新しいライフサイクルを創り出すコミュニティーを目指します。

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