「自分は何もできない」無力感は環境によって学んだ「学習性無力感」

「自分は何もできない」無力感は環境によって学んだ「学習性無力感」

日本では、「自分は何もできない」無力感で溢れています。でもその無力感は思い込みで、「環境」によって学んだ「学習性無力感」です。

※当サイトのリンクには広告が含まれています

#自分は何もできない


自分は何もできない
自分は誰の役にも立たない
未来を変えることなどできない
・・・

大きな変化の時代の中で、「自分は何もできない」無力感で、
自分の未来を変えることはできないと思い込み、諦めてしまっている人は多いようです。

でも、その「自分は何もできない」無力感は、閉鎖的な周囲の「環境」から学んだもの。
小さなころから「自分は何もできない」と学び続け、いつも間にか、何もできない無力な自分が出来上がってしまった結果です。

「学習性無力感」は、長い間、困難な状況を乗り越えられない環境にいると、「何をしても無駄だ」ということを学習し、「自分は何もできない」無力感で、何も行動する気力も失せてしまう状況です。

今、日本人の半数以上が、「自分は何もできない」無力感に陥ってしまっているとも言われています。その無力感は、本人の問題ではなく、家庭や学校や会社や社会全体の閉鎖的な周囲の「環境」から学んだものです。

「自分は何もできない」無力感を「環境」から学んだのであれば、「自分にもできる」という「環境」で学び直せばいいのではないでしょうか?

今回は、「自分は何もできない」無力感と、それを乗り越える方法について考えていきます。

日本人の多くが「自分は何もできない」無力感を持っている

日本人の無力感などに関する様々な調査があり、その調査結果では、半数以上の人が「自分は何もできない」無力感に陥っているという結果があります。それらの調査についてみてみましょう。

突出して大きい日本人の人生への「自分は何もできない」無力感

その調査のひとつに世界価値観調査があります。世界価値観調査の公式サイトはこちらです。
https://www.worldvaluessurvey.org/wvs.jsp

その調査の中で、これからの人生に選択の自由とコントロールがあると考える人の割合があります。
こちらのサイトから引用します。
https://www.works-i.com/research/project/10career/variety/detail001.html

ここで注意すべきは、現時点の日本で、個人が「主体的にキャリアを選択する」ための条件が整っていないということだ。図表4は、世界価値観調査より「これからの人生に選択の自由とコントロールがある」と考える人の割合(※4)を示している。この割合は日本で44%にとどまり、米国(77%)、中国(63%)、ドイツ(68%)、スウェーデン(82%)、英国(73%)、オランダ(68%)など、ほかの国と比べてひときわ低い。日本では自分の選択で自分の未来を変えることはできないという無力感を持つ人が多いのだ。

世界価値観調査では、これからの人生に対して選択の自由とコントロールがあると考える人の割合は、日本は44%と、最上位国のフィンランド(83%)、スウェーデン・デンマーク(82%)、ノルウェー(81%)、日本のすぐ上の国の中国(63%)やフランス(64%)と比較しても歴然の差です。

日本人では、これからの人生に対して、選択の自由とコントロールがあると考えない人が半数以上。
多くの日本人が、自分の選択で自分の未来を変えることはできない、という人生への無力感を持っているという結果です。

若者も同様に「自分は何もできない」無力感を感じている

では、日本の若者の無力感はどうなっているでしょう。

「国や社会に対する意識」に関する調査で、これは日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インド6ケ国の17歳〜19歳の若者を対象としたインターネット調査です。この若者の識調査でも、「国や社会を変えられない」と思う人が比較した各国の中で、日本はとても低い結果でした。

「第62回 –国や社会に対する意識(6カ国調査)–」 報告書 日本財団 2024年4月3日
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2024/03/new_pr_20240403_03.pdf

自身と社会の関わりについて、「国や社会を変えられると思う」が5割を切っているのが特徴的。
中国83.7% インド80.6% アメリカ65.6% 韓国60.8% イギリス56.1% 日本45.8%

この調査の2年前の同じ調査で、「自分の国の将来について」「10年後の自国の競争力について」に関して、興味深い調査結果がありました。

18歳意識調査「第46回 –国や社会に対する意識(6カ国調査)–」報告書 日本財団 2022年3月24日
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2022/03/new_pr_20220323_03.pdf

日本の若者は国の将来に対して非常に悲観的

自分の国の将来について、日本は「良くなる」が13.9%と、他の国に差をつけて6ヵ国中最下位となった。また、「悪くなる」が35.1%、「どうなるか分からない」が30.7%で、それぞれ6ヵ国中最も高いスコア。

自分の国の将来について「良くなる」という各国の結果です。
中国(95.7%)、インド(83.1%)、イギリス(39.1%)、アメリカ(36.1%)、韓国(33.8%)に比べて、日本は圧倒的に低い結果です。

日本の若者は10年後の自国の競争力についても悲観的

自国の競争力について、「経済」「科学技術」「軍事・防衛」「文化・芸能」それぞれに関する質問で、

日本の若者は、
「経済」の競争力「強くなる 計」が10.9%で6ヵ国中最下位。
「科学技術」の競争力「強くなる 計」が45.5%で最下位
「軍事・防衛」の競争力「強くなる 計」が15.7%で最下位。
「文化・芸能」の競争力「強くなる 計」が29.5%で最下位。
と4つともに10年後の競争力についても悲観的でした。

日本の若者は、「自国の強みも感じておらず、将来を悲観し、自分の力ではどうすることもできない」と感じている若者が多いと思われます。

日本の若者は「自身について」自信がなく、不安でメンタルも追いやられている

最も気になるのが次にある「自身について」の質問です。
「自分には人に誇れる個性がある」「自分は他人から必要とされている」「勉強、仕事、趣味など、何か夢中になれることがある」「自分のしていることには、目的や意味がある」「自分の人生には、目標や方向性がある」で6ヵ国中最下位となった。また、日本は「日々の生活で不安やゆううつを感じる」が65.3%で、6ヵ国中最も多い。

自分に自信もなく、毎日の生活で不安やゆううつなどメンタルも追いやられていることがわかります

「自分は何もできない」無力感があると自己への責任が果たせなくなる

こうしてみると、日本人の「自分は何もできない」無力感はとても大きな社会課題だと感じます。

問題は、自分の未来に対する無力感があると、人は自分に対する責任を果たしにくくなることだ。ジョンズ・ホプキンス大学で教鞭をとる政治学者のヤシャ・モンクは、経済学や心理学の知見に基づいて、「人が自己への責任を果たせるのは、その能力があれば一定の妥当な範囲で自分の未来を形成できるだろうという確信があるから」だと指摘している。自分の運命を制御する能力への不安が高まると、ますます自分の生活への責任を果たす能力が実際に低下する悪循環に陥るという。

「自分は何もできない」無力感は、自分の「人生を制御コントールできない」「状況は変えられない」という不安や諦めを生み、自分への責任が果たせない。

責任が取れないので、自由に主体的に行動できないので、ますます「自分は何もできない」無力感を持ってしまうという悪循環に陥ってしまうのだと思います。

その日本人の「自分は何もできない」無力感は、どうして生まれてしまったのか?

恐らく、経済成長時代を経て、バブルが崩壊し、「失われた30年」で経済が停滞し、社会全体が閉塞感に溢れたことによる学習された無力感が大きいのではないかと考えられます。

「自分は何もできない」と思い込む学習性無力感とは

学習性無力感(学習性無気力)とは、ウィキペディアによれば

学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness)とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。

この学習性無力感は、1967年に心理学者のセリグマンとマイヤーが犬に対して条件付けを用いて行った研究によって提唱されたようです。

イヌだけでなく、サカナ、ネズミ、ネコ、サル、ヒトでも、適応的な反応を起こさなくすることが、実験で実証されています。

人に関しての症状を、少し長いですが、ウィキペディアから引用します。

長期に渡り、人が監禁されたり、暴力を振るわれたり、自分の尊厳や価値がふみにじられる(主として、いじめやモラルハラスメントに代表される人格否定)場面に置かれた場合、次のような徴候が現れるという。
1、被験者は、その圧倒的に不愉快なストレスが加えられる状況から、自ら積極的に抜け出そうとする努力をしなくなる。
2、実際のところ、すこしばかりの努力をすれば、その状況から抜け出すのに成功する可能性があったとしても、努力すれば成功するかもしれないという事すら考えられなくなる(言い換えると、長年受けた仕打ちによる反動で、どんな可能性さえも「無駄な努力」と断じ、自発的行動を全くしなくなる)。
3、ストレスが加えられる状況、又ストレッサーに対して何も出来ない、何も功を奏しない、苦痛、ストレス、ストレッサーから逃れられないという状況の中で、情緒的に混乱をきたす。

学習性無力感が生まれる「長期にわたってストレスの回避困難な環境」について、考えてみると、
今の日本は、家庭内での虐待、様々なハラスメント、インターネットでの誹謗中傷、ブラック企業、などとともに、「失われた30年」と言われたように長く続く経済停滞など、様々な「長期にわたってストレスの回避困難な環境」に晒されていると考えられます。

集団で無力感を学習する「集団的無力感」

日本で、「自分は何もできない」無力感を生む様々な「環境」を考えると、
「無力感の伝染」を生む、「集団的無力感」がとても気になります。

ある人が、他の第三者がコントロール不可能な状況に陥っていることを観察することによって、無力感を学習する。アルバート・バンデューラの提唱したモデリングの例である。動物でなく人間においては、集団的無力感も起こり、小さなグループが解決不可能な問題に対して無力となった場合に、他のグループさえも解決可能な問題の解決に失敗する。

日本では、バブル崩壊以降特に顕著になっているのは、関係の自由化で、簡単に言うと自分が気に入った相手とだけ関係を結べばいい時代。関係の自由化は、人と関わることが苦手な人を生み出し、自分と似たような人としか付き合わない人も多い時代です。

周囲を見渡すと、「自分は何もできない」と思い込み無力感に溢れた友人、「失われた30年」で途方に暮れている家族、会社に魅力を感じていないのに辞められない上司や同僚など、ばかりに囲まれていると、「自分は何もできない」無力感はどんどん伝染し、集団的無力感が蔓延することが想像できます。

日本では、伝染が蔓延し、社会的に集団的学習性無力感に陥っているように感じます。

「自分は何もできない」学習的無力感のメタファー(例え話)

「自分は何もできない」学習的無力感のメタファー(例え話)に、有名なサーカスの象と、カマス理論があります。このたとえ話は、自分ゴトとして感じられるかもしれません。

こちらのサイトから引用させていただきます。
https://it-counselor.net/psychology-terms/chained-elephant

サーカスの象(鎖につながれた象)

サーカスの象は、杭につながれた鎖で逃げられないことを小さな頃から学ぶため、大きくなって鎖を杭ごと抜く力を得ていても、それを試そうともしなくなる。これは、管理者によって管理しやすく教育されていることを表す。

小さい頃に、サーカスに売られた象は杭に鎖でつながれて育ちます。まだ小さな小象の時は、いくら鎖を外そうと思っても外れず、いずれ、「自分は何もできない」学習的無力感を学んでしまい、大きくなっても鎖を外そうとしなくなるという話です。

カマス理論

空腹のカマスを透明な仕切りのある水槽に入れ、反対側に小魚を入れると、何度も小魚を食べようと透明な仕切りにぶつかるが、いずれ何をやっても食べられないと学習する(あきらめる)ようになる。

この「自分は何もできない」学習的無力感の2つのメタファー(例え話)、サーカスの象と、カマス理論は、私たちが毎日の中で体験している、「長期にわたってストレスの回避困難な環境」の中で、何をしてもダメ、何をしてもムダという諦めを生み、知らず知らずのうちに、「自分は何もできない」無力感を学んでいることを、現実的にリアルに感じられるかもしれません。

「自分は何もできない」学習性無力感の克服方法

学習性無力感の状態を放置すると、精神疾患に発展することもあり、どんどん状況が悪くなります。そのため、大きな問題になる前の対処が大切です。具体的には以下の方法があります。

セリグマンらは、学習性無力感における治療法として、「反応しても無駄であるという信念」を変える方法に認知行動療法を挙げている。

認知行動療法は精神疾患などの治療法で、一般の人が「反応しても無駄であるという信念」を変えることは難しいので、一般の人が日常の中で、「自分は何もできない」無力感を回避していく方法について考えてみます。

小さな成功体験を積み重ねる

「集団的無力感」で登場した、アルバート・バンデューラの提唱した「自己効力感」があります。
自己効力感とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること。

自己効力感を生み出す最も重要な要因として達成経験を上げています。

達成経験(最も重要な要因で、自分自身が何かを達成したり、成功したりした経験)

この達成経験はとても重要だからこそ、必ず達成できることから始めることが重要です。

「自分は何もできない」学習性無力感に陥っている人は、そもそもこの達成経験が少ないので、
はじめから実行が難しい成功体験は失敗の可能性が高くて逆効果です。

だから、小さな成功体験を少しずつ積み重ねることが大切。

「自分には何もできない」から「自分でもできた」という体験をどんどん積み重ねること。
体験する内容も自分がやってみたいとモチベーションが上がる方がより効果的だと思います。

「自分にもできた」から「もっとできるようになりたい」という状態になれるといいですね。

小さな選択を積み重ねる

「選択の科学」という本では、「選択」が人生の幸福感や充実感、健康にも大きな影響があると述べています。

『選択の科学』――思い込みをなくし選択肢を創造せよ | GLOBIS学び放題×知見録

https://globis.jp/article/6228/

人生は「選択」「偶然」「運命」の3つから成り立っている。この中で、自分の意思でコントロールできるのは選択だけだ。従い、人生をより良く生きようと思えば、選択の質を高めることが大切になる。本書は、その選択という行為について、20年以上に渡る実証... スキマ時間を有効活用してリスキリング・スキルアップ。ビジネスを学ぶならGLOBIS学び放題(グロ放題)×知見録。

人生は「選択」「偶然」「運命」の3つから成り立っている。この中で、自分の意思でコントロールできるのは選択だけだ。従い、人生をより良く生きようと思えば、選択の質を高めることが大切になる。本書は、その選択という行為について、20年以上に渡る実証実験を重ねて書かれた本だ。

特に重要なことは、「自分は自由に選択できると感じる」こと、自己コントロール、自己裁量権を持つことが重要。この自己裁量権は健康にも影響があると言われています。

「自分は自由に選択できると感じる」ために、小さな成功体験と同じように、小さな「選択」を積み重ねることをおすすめします。

日頃、つい無意識に決めていることを、意識して選択していく。今まで、あまり選ばなかったこと、小さなことでいいので、自分が好きなことややりたいことなど、自分の意思で小さな選択を繰り返すことで、「自分は自由に選択できる」と感じる気持ち、「自分は選ぶことができる」という自己裁量権があるという気持ちが芽生えてくると思います。

モデリング学習(観察学習)

こちらのサイトから引用します。

社会的学習理論(モデリング理論)とは――意味、バンデューラの理論をわかりやすく解説 - 『日本の人事部』

https://jinjibu.jp/keyword/detl/1462/

社会的学習理論(モデリング理論)とは、自分が直接体験した事柄ではなくても、他者の体験を観察・模倣することで学習できることを説いた理論です。カナダ出身の心理学者で「自己効力感」を提唱したことでも知られるアルバート・バンデューラ氏によって、1970年代に確立されました。

モデリング学習(観察学習)は、自己効力感を生んだアルバート・バンデューラによって1970年代に確立されました。

「社会的学習理論(モデリング理論)」とは、自分が直接体験した事柄ではなくても、他者の体験を観察・模倣すること(=モデリング)で学習できることを説いた理論です。

カマス理論の中でも、学習性無力感の改善例として、観察学習(モデリング)が述べられています。

その後、透明な仕切りを取り払っても、小魚を食べようとしないが、別のカマスを水槽に入れると小魚を食べるので、その様子を観察して、小魚をまた食べるようになる。
https://it-counselor.net/psychology-terms/barracuda-theory

その学習のプロセスとして
(1)観察対象に注意を向ける(注意)
(2)対象の行動内容を記憶に保持する(保持)
(3)対象の行動を模倣する(運動再生)
(4)行動に対するモチベーションが高まる(強化と動機付け)

他者の体験を学習へと結びつけるために、観察対象に「注意」を向け、行動内容を「記憶を保持」し、「模倣する」といった能動的な行動が必要。
ただ見てるだけでは学習できません。

社会的学習理論による学習の注意点は、良い行動だけでなく、悪い行動も学習されてしまうこと。
意識しないうちに「悪い行動」を学習しないよう注意すべきです。

では、誰を観察することがいいのか、等身大のリアルなロールモデル(自分が身近にやってみたいと憧れるお手本)をおすすめします。

筋トレで活力資産を積み重ねる

私たちが100年ライフを生き抜くヒントとして、「ライフシフト」の中で、無形の資産である活力資産を積み重ねる大切さを提案しています。

活力資産の心身の健康の中でも、「自分は何もできない」学習的無力感におすすめなのは筋トレです。

筋トレや有酸素運動を行うと、セロトニンの分泌が促進されることがわかっています。
このセロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分の安定、不安の改善、幸福感の向上にも関与する脳内の神経伝達物質です。

日本人はこのセロトニンが最も不足しやすく不安になりやすいと言われています。

日本人はセロトニンの最も不足しやすい人種であることが知られています。そのメカニズムは遺伝子上でセロトニントランスポーターの減少が多いためと言われます。とくに北日本の日本海側の地域に住む方がセロトニントランスポーター遺伝子SS型を有する割合が多く、神経終末におけるセロトニン濃度が低くなりやすいことから、不安を感じやすいと説明されています。

心理的安全性のある「環境(心の安全基地)」を持つ

安全基地(あんぜんきち、英: Secure Base)とは、アメリカ合衆国の心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念である。子供は親との信頼関係によって育まれる『心の安全基地』の存在によって外の世界を探索でき、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができる。現代においては子供に限らず成人においてもこの概念は適用されると考えられている

心理的安全性とは、自分の気持ちを気兼ねなく率直に言い合えること、ありのままの素の自分でいられることです。

「自分は何もできない」学習性無力感を感じている人には、心理的安全性のある「環境(心の安全基地)」を持つことが特に重要だと思います。

その理由として、今、無力感を感じている人は、集団で無力感を学習する「集団的無力感」の環境にいることが多いと思われるからです。

その「集団的無力感」の環境では、モデリング学習(観察学習)するにしても、中々ロールモデルになる人がいないと思います。

しかも、特に注意すべきは、「集団的無力感」の環境は、人の足を引っ張る人が多いこと。
こちらの記事に書きましたが、日本人には。自分が苦労していることを他人にも強要する人が多いです。

「自分の当たり前」から抜け出せない「症候群」4選 | 新しい生き方働き方暮し方ブログ

https://atarashiihatarakikata.com/articles/21

時代の変化の中で、古い思い込みを見直し、「自分の当たり前」から抜け出すことが重要です。今回は、「自分の当たり前」から抜け出せない、代表的な「症候群」を4個ピックアップしてみました。

「集団的無力感」の環境では、人の頑張りすら求められず、人の足を引っ張る人も多いと思います。

「小さな成功体験を積み重ねる」「小さな選択を積み重ねる」「筋トレなど活力資産を積み重ねる」など、頑張って行動していると
邪魔をされる危険性が多いと思います。

実際にサーカスに40年いた象が、自由な保護区に行けたことで、仲間と仲良く引退後を楽しむ記事がありました。

やっと自由に生きられる。40年間サーカスにいた象は、南米初の保護区で引退後の生活を楽しむ
「ずっと一緒にやってきたように、ぴったり寄り添っています」

まとめ

今回、「自分は何もできない」無力感に落ちっている人が多いこと、それは「環境」による学習性無力感であること。社会全体が「集団的学習性無力感」に陥っていることなど考えてきました。

「失われた30年」で失われたものは、経済停滞以上に、日本人の心のように思います。

今、教育関連、社会活動、NPO、様々なコミュニティーなどその「環境」をより良いものにしようという動きがあちこちで起きています。

「自分は何もできない」無力感で悩んでいる人は、「環境」によって学習性無力感を学んでしまったこと。でも「環境」を選ぶことで、「自分にもできる」と思えることをぜひ気づいて、新しい一歩を踏み出しましょう。

この記事のライター

「okinawa未来カレッジ」は、誰もが自分らしい明日へ一歩を踏み出せる、 未来に向かって前進し、新しいライフサイクルを創り出すコミュニティーを目指します。

最新の投稿


「本を読まない人が増加」する中、本を読まないとどうなるかを考える

「本を読まない人が増加」する中、本を読まないとどうなるかを考える

本を読まない人がどんどん増えているようです。SNSの普及や、時間に追われてることが大きな理由。その背景には、タイパのように、すぐに効果や影響がでることを優先し、読書のように、直接的でなく、すぐに効果がみえないことは自分には関係ないと考える風潮もあるようです。 でも、変化の激しいこれからの時代、本を読まないとどうなるのか? について考察していきます。


「100歳まで生きたくない」人生100年時代に向き合えない日本人

「100歳まで生きたくない」人生100年時代に向き合えない日本人

人生100年時代。長寿の恩恵とできず、「100歳まで生きたくない」人生100年時代に向き合えない日本人が多いようです。


「人を信じられない」人が他人への信頼を取り戻すために

「人を信じられない」人が他人への信頼を取り戻すために

様々な経験や様々な人間関係の中で、「人を信じられない」と距離を置いてしまったり、「人間はみんな信じられない」人間不信になってしまう人に、信頼のベースになる社会関係資本の低下などの社会的背景と信頼を取り戻す方法をお伝えします。


「老けたくない」なら老化の速度を20代からコントロールする

「老けたくない」なら老化の速度を20代からコントロールする

「老けたくない」という人は多いと思います。でも、老化の速度は人によってまちまちで、20代から老化は始まると言われています。でも、その老化の速度は生活習慣や生活環境を意識することで、コントロールできるということがわかってきました。


「40代からの生き方」を変えるミッドライフクライシス(中年の危機)

「40代からの生き方」を変えるミッドライフクライシス(中年の危機)

ミッドライフクライシスとは、40代に陥りやすい「中年の危機」。 人生の後半に向け、40代での様々な変化に気づくことで、40代からの新しい生き方を考えるきっかけを提供します。