この先どうしたらいいかわからない「無意識無能状態」から脱出する

この先どうしたらいいかわからない「無意識無能状態」から脱出する

この先何をどうしたらいいかわからない。 大きな変化の時代の中で、この先どうしたらいいかわからず、途方に暮れている人も多いと思います。そんな人は、漠然とでも、自分の人生や自分の未来について、「この先はどうなるのか」とイメージすることが大切。 自分たちは今、どんな時代に生きているのか、どんな時代の変化が起きつつあるのか理解することが大切だと考えます。 だから、先ず、「無意識無能」の、「何がわからないのかわからない」状態に気づき、「無意識無能状態」から脱出していきましょう。

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何をどうしたらいいかわからない

「この先どうしたらいいかわからない」

大きな変化の時代の中で、この先どうしたらいいかわからず、途方に暮れている人は、この先がどうなるかイメージできていない人も多いと思います。

でも、途方に暮れている状態では、自分の人生や自分の未来について、何も考えないし、何も行動を起こせません。

みんな一緒に一本道を駆け上がっていた、右肩上がりの経済成長時代はそれで済んでいました。でも、成熟社会に入り、しかも激しく予測ができないVUCA時代に突入し、想定外の出来事に対応していかなければなりません。

自分たちは今、どんな時代に生きているのか、どんな時代の変化が起きつつあるのか理解すること、
新しい時代に今起きつつある変化がどう変化しているか気づくことが大切だと考えます。

この先どうしたらいいかわからない、「何がわからないのかわからない」状態に気づき、「無意識無能状態」を脱出することが超重要だと思います

この先どうしたらいいか新しい時代の変化に気づくこと

この先どうしたらいいかわからない。
自分の未来は変えられない。
大きな変化の時代、何をどうすればいいかわからない。
決まり切った毎日の中で、新しい人生の選択肢など考えられない。
など・・・

変化の時代の中で、この先どうなってしまうのか、この先どうしたらいいか、途方に暮れ、自分らしい生き方働き方暮らし方を実現することなど、考えられない人も多いのではないかと思います。

そんな不安を持った方も、自分の人生や自分の未来について、「この先はどうなるのか」をイメージし、予測を立てていくことができれば、はじめの一歩が踏み出せるのではないでしょうか。

そのために、自分たちは今、どんな時代に生きているのか、どんな時代の変化が起きつつあるのか理解することが大切だと考えます。

「経済成長時代のパラダイム」でご紹介したように、私たちの生き方働き方暮らし方は、「時代の思考(パラダイム)」に大きく影響しています。

今、どんな変化が起きつつあるのか。そして、自分たちの古い価値観、ものの見方、考え方に大きく影響を与えている「時代の思考(パラダイム)が、新しい時代に今起きつつある変化の中でどう変化しているか気づくこと。

「何がわからないのかわからない」

心理学などで使われている、無意識無能の状態から脱出することが大切です。

無意識無能状態からの脱却、個人として「何か」のやり方が分かっていない、あるいは理解できていない、それができないことをマズイと意識していない。

「知らなければ気づきも生まれない」

気づかなければ、「この何どうしたらいいかわからない」状態から脱出できません。
今、悩んでいる人に、その解決に結びつくヒントをお伝えします。

無意識無能状態とは

無意識無能状態とは、コンピタンスの4段階として知られています。

1970年代にゴードン・トレーニング・インターナショナル(Gordon Training International)の従業員であるノエル・バーチ(Noel Burch)によって開発された「新しいスキルを習得するための4つのステージ:Four Stages For Learning Any New Skill」というモデルがあります。心理学では「コンピテンスの4つのステージ:Four stages of competence」とも呼ばれます。

成長や学習や心理学などで使われていることも多いですが、人事評価や人材育成で使われているコンピタンスという視点に着目しています。コンピタンスという視点は、未来の人生設計や人生課題に関しても、使えるアプローチ手法だと思います。

コンピタンスとは専門的な能力、力量の総称と言われ、「無意識無能」理論は、新しいスキルを習得するための専門的な能力や力量と考えられます。

コンピタンスから派生したコンピテンシーには、高水準の業績を上げる人の行動特性、能力モデルという概念を持ちます。

コンピテンスを開発していく重要な要素として、4つの学習段階を進めるにつれて、何を知らなくて何ができないのかに気づくことと関係があります。何を学習するのか?この先どうしたらいいかわからない状態に関して、何をどうしたらいいかを学んでいくこと。

コンピテンシー4つの段階

第一段階  無意識的無能 (何かができないということに、気が付いていない状態) 
知らないということさえ知らない、知らないことに気づいていない、
個人として何かのやり方が分かっていない、あるいは理解できていない、
そしてそれが出来ないことを必ずしも意識する必要はない段階。(できないことをマズイとも意識していない)

第二段階  意識的無能  (できないことに、気が付いている状態)
自分が知らないということを知っている、「何ができないか」を知り気づいたけれど、何かのやり方が分かっていない、あるいは理解できていない、出来ないことがマズイことを意識している段階(問題意識)。

第三段階  意識的有能  (意識すれば、できる状態)
何かのやり方が分かっている状態。でも、それを会得するまでには至っていない、そのスキルや知識を実行するには集中が必要な状態。

第四段階  無意識的有能 (意識しなくても、できる状態)
能力を充分に鍛錬し、完全に定着して、特に意識しなくても容易に出来るようになっている状態。

評価する視点、メタの視点で、自分の状態がどこにあるのか。メタ認知して、客観的に解像度を上げる。マクロ的に自分の状態を見ることも重要です。

「何がわからないのかわからない」無意識無能の状態

無意識無能の段階は、次のフレーズに要約されると思います。

「何がわからないのかわからない」

生き方や働き方や暮らし方の視点では、
自分の人生、自分の未来の予測に関しては、この先がどうなるのか、わからない状態。

今、「何が」起きつつあるのかも分かっていないし、
新しい時代の変化に気づく必要性もわかっていない状態。

この無意識無能の状態では、
「何かがわからなければ気づきも生まれない」

行動を変えたり、ライフスタイルを変えるためにも、現状の状態に気づけなければ、次の状態に移れません。

日頃、毎日の忙しさに追われ深く考える時間もない、時代の変化は緩やかに動いているので気づけない。その変化に気づけなければ、この先どうしたらいいかわからない状態から脱出できません。

今、どんな時代に生きているのか、どんな時代の変化が起きつつあるのか、私たちの生き方働き方暮らし方に影響する「時代の思考(パラダイム)」が、新しい時代に今起きつつある変化を知り、どう変化しているか気づくことが大切だと思います。

「できないことをまずいとも意識していない」

この先どうしたらいいのか、何をすべきで何が足りないのか、何が問題なのか気づくこと。

経済成長時代から成熟の時代へ、時間は問題を解決しないどころか、そのまま放置していると益々問題は深刻化していく時代です。

新しい時代に向けて、人生の課題や問題に対応すること。

そのために、わかっていない新しい時代の変化に気づき、新しい生き方働き方暮らし方に向け変化に対応する。行動変容に向け準備を進める一歩を踏み出すことが必要だと思います。

新しい時代の変化を知り、この先どうなっていくかに気づく

今起こりつつある新しい時代の変化について、重要な要素をピックアップしました。
非常に簡略化していますが、大きな流れの変化がどのように起きているか、この先がどのようになろうとしているかの気づきになると思います。

成長時代から成熟時代へ

成熟社会とは、様々な定義がありますが、経済成長の成長一本やりで、ものの豊かさを追求し、工業化による大量生産大量販売による大量消費の量の拡大ばかりを社会から、ものの豊かさとともに心の豊かさ、仕事の充実とともに生活の質の向上、量から質への転換、持続可能な社会と考えられます。

この成熟社会では、モノやサービスが溢れ、自由で便利な生活はできますが、自分の幸せや生き方が見いだせないと、生きづらい世の中とも言えます。

「みんな一緒」に右肩上がりの一本道をベルトコンベア式に上っていった経済成長時代から、成熟社会は、「それぞれ一人ひとり」の人生戦略が必須になってきます。そして、多様で多彩な価値観やライフスタイルを互いに認め合い、ともに支え合う共生する社会が求められていきます。

工業化社会からポスト工業化社会へ

産業社会(さんぎょうしゃかい、英語:industrial society)とは、工業化の進展した社会のこと。工業社会や工業化社会とも称されます。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0720-1b.html#4
から引用します。

「工業社会」においては、高度成長の結果、豊かな長寿社会がもたらされた反面、労働者の過度に組織従属的な働き方やそれに伴う家庭の団らんの消失、環境破壊等の弊害も目立ってきた。また、都市化により農村人口の大幅減少や地域コミュニティーの崩壊を招き、そのことが若年者を中心に様々な深刻な問題を引き起こしている。

それまでの家内手工業中心社会から工業化で様々なものが失われました。

成熟社会を自分らしく生き生きした人生を送っていくために、経済成長の時代の、工業化の中で失われたものを再認識・再評価することがとても大切だと思います。

工業社会(産業社会)で形成された社会構造について、工業化の社会構造の中で失われたものをウィキペディアから抜粋しました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%A4%BE%E4%BC%9A

・都市化⇔地域格差拡大、地域コミュニティー崩壊
・画一化、均一化⇔みんな一緒
・家族構成員数の低下⇔核家族化
・企業組織の発達⇔カイシャ社会
・生産性の上昇に伴う大量生産・大量消費⇔規模の経済が優先
・経済成長による、「追いつけ追い越せ」型の成長社会⇔経済成長至上主義
・労働者層における工員(ブルーカラー)の占める割合の上昇⇔格差拡大
・大衆社会の形成⇔一億総中流
・環境破壊の進展⇔異常気象など発生
など

この「工業化の中で失われたもの」は、成熟社会の今現在でも、社会問題になっています。

経済的停滞期(右肩下がり)

バブル崩壊直後の1990年代から続く「失われた30年」。

失われた30年間は、高度経済成長期や安定成長期のような成長が見られず、右肩下がりの経済の低迷や景気の横ばいが続いている状態。この30年で、人々の「やる気」や「働きがい」が世界的にも低い水準に落ち込んでいます。

日本企業の「古い体質」「変われない空気・組織風土」「あきらめ感」を打破することが必要だと言われています。新しい産業への構造転換、日本型雇用の見直し、稼ぐ力をつけるなど、問題の打破が大切と言われています。

働く個人は、その中で、「この先どうしたらいいかわからず」、将来不安を抱え、「やる気」や「働きがい」を失い、幸福感も低下し続けています。だから、成熟社会では、失ってしまったものを取り戻す必要があります。

「この先どうしたらいいかわからない」もやがかかった高原社会

右肩上がりに成長し続けた経済成長が停滞し、経済が停滞した社会は高原社会とも言われています。未来永劫成長が続くと思われた経済成長社会と、高原社会では、全く違う時代の思考・価値観(パラダイム)が生まれています。

90年代後半から2000年代初めに大きな価値観の変化が発生。時代の思考(パラダイム)の大きな変化が、生まれた年代によって、まったく違う問題を引き越しています。

こちらの記事から引用します。

日本の10代はいま:“もや” のかかった平坦な「高原地帯」を歩く若者たちへ

https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00800/

この4月から成人年齢が「18歳」に引き下げられる。18歳の高校生にはすでに選挙権があるが(2016年改正公職選挙法施行)、「大人」として新たな社会的権利や責任が生じる。コロナ下で新成人となる10代は、どんな社会認識や悩み、将来像を持っているのだろうか。世代特有のメンタリティーを探る。

努力すれば報われると信じて坂道をひたすら上り続けた時代に思春期を送った世代の価値観は、なかなか変わらない。より高みを目指す強い野心を持っているために、今の社会に適応できていない。特に高齢者男性は、概してコミュニケーション能力に乏しい。孤立してフラストレーションをため込み、それが往々にして問題行動に結び付くのです」

中高年者、高齢者の、特に孤立してフラストレーションをため込んだ男性が、カスタマーハラスメントなど問題を起こしています。

「高原期を生きる若者には、明日もあさっても今の状態と同じだという感覚があります。今は“もや”がかかっていて、どこを向いて歩けばいいか見えない。将来、もやが晴れるとも思えないのです」

高原期では、明日もあさっても変わらない感覚。まさしく、「このさきどうしたらいいかわからない」状態。行先に“もや”がかかり、どこを向いて歩けばいいか見えない状態です。

高度経済成長期には、学歴、資格など、自分が努力して獲得した社会的評価がアイデンティティーの根拠になっていました。でも、高原期には、どんなに努力しても、今より高い場所に行けるとは思えない、「努力しても報われない」と諦めてしまっている人、モヤの中で、「どこを向いて歩けばいいか見えない」状態の人が多いのではないでしょうか。

高原社会では、この先どうしたらよいかわからない状況を生んでいます。アイデンティティーを明確にして、どこを向いて歩くか方向性を定め、モヤモアを晴らし、高い場所を目指し、突破する力が望まれています。自己責任という名で個人だけでなく、そうした新しい環境は少しづつ芽生えてきていいます。

人口減少社会

日本は、人口減少社会に突入し、2040年には人手不足が深刻化し、ひとり何役もこなさなければ時代が来ています。

・生産年齢人口
人口減少で生産年齢人口が減少。様々な業界で人手不足が起き始めている。そのためにもより多くの人が働く必要がある。

・国家財政のひっ迫
少子高齢化によって税収が減る一方で、社会保障費など支出は増えることで、財政がひっ迫する。

・消費の変化
人口が減少することで個人消費そのものが減少する。少子高齢化により、消費する商品やサービスも大きく変化。
など、人口減少社会になり、様々な問題が考えられます。

でも、人口増加期によって生まれた様々な問題が、人口減少で解決される可能性があるとも考えられます。「人口減少社会のデザイン」という本を書かれた京都大学こころの未来研究センターの広井良典教授は、人口減少を”豊かさを実現していく時代”ポジティブにとらえることを提唱しています。

昭和が人口増加とともに「限りない拡大・成長」を志向した時代。令和は本格化する人口減少に向かいつつ、そこに様々なポジティブな可能性を拓き、成熟社会の真の豊かさを実現していく時代としてとらえるべきではないだろうか。
人口減少社会のデザイン 広井良典著 東洋経済新報社

昭和の時代は、急激な人口の増加カーブを描き、急激な坂道「集団で一本の道を登る時代」。
ある意味で、相当な無理を重ねてきた時代ともいえます。

ものは溢れ生活は豊かになったけれど、幸福度は低迷し疲弊している人も増えていると思います。
共助の仕組みや地域コミュニティーが減少し孤立・孤独も蔓延し、他者に不寛容な社会になってしまいました。

この本では、成熟社会を人口減少にフォーカスしています。

人口増加期は、「みんなで一致団結して経済的な豊かさを実現する」時代。集団で一つの山頂に急いで上るような社会と表現しています。それに対して、人口減少時代は、山頂に上った後の時代だと述べられています。

みんなが急いで、一斉に上り詰めた山の頂上から、下り道は360度の方向に開かれており,道は人それぞれ。

もやがかかった「高原社会」とみるか、360度の方向に開かれた下り道をどう選ぶか、多様な選択肢があると考えるか。

急激な坂道「集団で一本の道を登る時代」に無理をし過ぎていた社会課題を、人口が減少し、いわば山頂に上った後の時代にポジティブに解決していく提案をされています。

・成長拡大で失ってしまったものを取り戻す
・様々なポジティブな可能性を拓き、成熟社会の真の豊かさを実現
・各自が好きなように過ごし、道は360度の方向に開かれており,道は人それぞれ

経済成長時代の「時代の思考(パラダイム)に影響されていた、ものの見方や考え方を変えることで、ピンチはチャンスに変わる可能性を秘めています。

「何をどうしたらいいかわからない」状態に気づいたら、自分の道を選んでいく。
無意識無能状態を脱出していきましょう。

まとめ

大きな時代の転換期が来ています。成長時代から成熟時代へ。工業社会からポスト工業社会へ。
経済成長から経済停滞・高原社会へ。人口減少が加速。変化が激しく予測ができないVUCAの時代。人生100年時代になり、長い老後にどのように立ち向かうか。

ネガティブな側面ばかりに目を向けると不安ばかりな状況ですが、新しい時代の変化に気づくことで、この先どうしたらいいかわからない状態から脱出することはできると思います。

時代の変化とともに、「時代の思考(パラダイム)も変わってきます。
古い時代の価値観や、ものの見方や考え方を変えることで、ピンチはチャンスになる

経済的な視点から幸福の視点では、高原社会は各自が多様な生き方を選択できる。道は人それぞれに拓かれる。工業化で失ってしまったものを取り戻せる時代とも考えられます。

人口減少社会のデザイン

この記事のライター

「okinawa未来カレッジ」は、誰もが自分らしい明日へ一歩を踏み出せる、 未来に向かって前進し、新しいライフサイクルを創り出すコミュニティーを目指します。

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