「未来を切り拓く」のにポジティブかネガティブかは問題ではない

「未来を切り拓く」のにポジティブかネガティブかは問題ではない

自分の未来を作っていくために、「未来を切り拓く」のにポジティブもネガティブも関係ないという研究があります。ネガティブな性格を活かして、未来を切り拓く「防衛的悲観主義」についてお伝えします

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未来を拓く

経済成長社会から成熟社会へ、変化が激しいVUCAの時代。

国や社会や企業に人生を預けていれば安泰なではなく、自分の未来は自分で決め、自分で未来を作りだすことが大切です。未来を作りだしていくためには、自分の理想に向け、目の前のことに前向きに取組み、「未来を切り拓いていく」ことが重要です。

自分の未来を作る、「未来を切り拓く」という視点では、ポジティブ思考が有名です。

世の中では、ものごとを前向きに考えれば、それは実現し、人生はうまくいく、というポジティブ思考が広まっています。物事の悪い面でなく良い面を見る、ネガティブな姿勢はポジティブな姿勢に変えるなど、ネガティブ思考をポジティブ思考に変える思考法ともいえます。

でも、無理やりポジティブにすることに違和感を覚えたり、表面ばかりポジティブになって実態が伴わない人、現実を楽観的に捉え正確に現状への打ち手を打たない人、妄想ばかり先行し具体的に実行しない人・・・

など、ポジティブ思考は悪い考え方ではないと思いますが、マイナスの側面も見えてきます。

実は、自分の未来を作っていくために、「未来を切り拓く」のにポジティブもネガティブも関係ないという研究があります。

ネガティブな思考で、「未来を切り拓く」ことに成功していく「防衛的悲観主義」という考え方。東京オリンピックの柔道で2連覇を達成した大野選手は、「防衛的悲観主義」の大活躍で有名になりました。

このネガティブな性格を活かして、人生をコントロールし、未来を切り拓く、「防衛的悲観主義」についてフォーカスしていきます。

ネガティブな性格を利用し未来を切り拓く「防衛的悲観主義」とは

防衛的悲観主義は、課題解決や目標達成に向けて高いパフォーマンスを発揮するための認知的方略のひとつです。自分の課題などに対して、どのようにパフォーマンスを発揮するかを、心理学では「認知的方略」と言うようです。こちらの記事から引用します。

防衛的悲観主義とは――意味と例をわかりやすく解説 - 『日本の人事部』

https://jinjibu.jp/keyword/detl/1417/

防衛的悲観主義とは、物事を悪いほうに考えることで、悪い状況を回避しようと努力し、その結果成功につながるという考え方。東京2020オリンピックにて柔道男子73キロ級に出場した大野将平選手が防衛的悲観主義を掲げ、自分を疑いながら稽古に励み、大会2連覇を果たしたことで話題になりました。

「防衛的悲観主義」とは、物事を悪いほうに考えることで、悪い状況を回避しようと努力し、その結果成功につながるという考え方。1980年代から心理学領域で使用されている概念です。アメリカの心理学者ジュリー・K・ノレム氏の著書「The Positive Power of Negative Thinking」で注目されました。日本では、東京2020オリンピックにて柔道男子73キロ級に出場した大野将平選手が防衛的悲観主義を掲げ、自分を疑いながら稽古に励み、大会2連覇を果たしたことで話題になりました。

悲観的であること、ネガティブであることは、課題解決や目標達成にはパフォーマンスが発揮できないという考え方に対して、ネガティブであっても高いパフォーマンスが発揮できるという研究がなされています。

課題に対する未来の拓き方でポジティブかネガティブかを4つのパターンに分類

物事を悪いほうへ考えることで成功している人たちの存在が明らかになっています。ジュリー・K・ノレム氏は、戦略的楽観主義者と防衛的悲観主義者の実験と研究を行い、悲観主義者が必ずしも失敗するわけではないことを明らかにしました。

レノム氏はその実験研究により、「過去のパフォーマンスに対する認知」と「将来のパフォーマンスに対する見込み」によって、認知パターンを四つに分類しました。

①過去のパフォーマンスをポジティブに認知し、将来の見込みが高い「方略的楽観主義」。
②過去のパフォーマンスを低く評価しているが、将来の見込みは高い「非現実的楽観主義」。
③過去のパフォーマンスをポジティブに認知しているが、将来の見込みは低い「防衛的悲観主義」
④過去パフォーマンスを低く評価し、将来の見込みは低い「一般的悲観主義」。

4つのパターンを整理してみます。

         過去のパフォーマンスに対する認知  将来のパフォーマンスに対する見込み 
①方略的楽観主義   ポジティブに認知          将来の見込みは高い                
②非現実的楽観主義  ネガティブに認知          将来の見込みは高い         
③防衛的悲観主義   ポジティブに認知          ネガティブな結果を想像        
④一般的悲観主義   ネガティブに認知         ネガティブな結果を想像       

ノレム氏による「方略的楽観主義」と「防衛的悲観主義」の人々に課題を与えて比較研究を実施。その比較研究では、課題前に気晴らしさせると前者の成績は上がり、後者は下がりました。一方、課題について事前に熟考させると前者の成績は下がり、後者の成績は上がりました。一般的楽観主義者はリラックスして課題について考えないようにすることでパフォーマンスを発揮するのに対し、防衛的悲観主義者は起こりうる可能性を検討することでパフォーマンスを発揮することがわかったのです。         

【認知的方略】「課題に対する考え方、取り組み方」=未来の拓き方

防衛的悲観主義を考え行くときに「認知的方略」はとても重要なキーワードです。

課題に対するパフォーマンスをどのように発揮するかを、心理学では「認知的方略」というようです。防衛的悲観主義は、心理学でいう「認知的方略」のひとつと言われています。
「認知的方略」に関して、わかりやすい定義がしてあるこちらの記事から引用します。

「認知的方略」は、認知心理学や教育心理学の分野で用いられる概念で、人々が問題解決や学習、意思決定などの認知的なタスクを達成するために使用する戦略やアプローチを指します。

【悲観主義のススメ】ネガティブな考えの持つメリットを解説 - Psycho-Labo

https://psycho-labo.com/defensive-pessimism/

こんにちは、Nameck(なめっく)です。 今日のテーマは悲観主義のメリットです。 「上手くいかないかも…」と

防衛的悲観主義は認知的方略と呼ばれる「課題に対する考え方、取り組み方」のことであり、次のように定義されます。

【認知的方略の定義】
個人がある目標を追求するときの期待・評価・計画・努力・回顧の一貫したパターン

この「認知的方略」に関して、「課題に対する考え方、取り組み方」という考え方がとても分かりやすいです。人生で直面する様々な課題やタスクに対し、どのように考え、どのように取り組み人生を切り拓いていくか?
その実現のために、どんな戦略を使用して、どのようにアプローチしていくのか?

そう考えれば、「認知的方略」は自分の未来の拓き方とも考えられます。

先ほどの4つのパターンに「課題に対する考え方、取り組み方」を追加してみました。4つのパターンの違いがより鮮明になると思います。

未来を拓く

「過去のパフォーマンスに対する認知」し、人生の様々な課題に対し将来のパフォーマンスを発揮できるか分析し、どのように「課題に対する考え方・取り組み方」をしていくかというプロセスが見えてきます。

防衛的悲観主義は、不安を引き起こすような出来事や仕事に備えるための方略として用いられ、課題や目標追及に対して、不利な影響を及ぼすかもしれない状況に対応します。

「未来を拓くとき」不安などのネガティブな感情にどう対処するのか

私たちは、日常生活で、学校での試験、会社の面接、お稽古ごとの発表会、お客様の前でのプレゼンなど、様々な場面で、緊張や不安など、ネガティブな感情を持ってしまいます。

そんな場面では、緊張や不安を感じてしまい、モチベーションが低下したり、できなったことばかりに意識が向いてしまうなど、本来集中すべき課題に集中できないで失敗してしまうことも多いです。だから、ものごとに対処する時、ネガティブな気持ちを前向きな気持ちに切り替え、ポジティブな考え方をすることが大切という流れが一般的です。

ものごとや課題に対して、どのように対処するか、緊張や不安などのネガティブな感情に、いかに対処し、良い結果を出していくのかが重要になってきます。

変化が激しいVUCAの現代では、人生の様々な場面で、直面するものごとや課題の連続と言っても良いと思います。待っていても何も良くないどころか、何もしないことで状況が益々悪化する可能性がある時代です。

人生の様々な場面で直面する課題に、不安なネガティブな感情を対処し、「人生を切り拓いていく」
ことが求められる時代です。

防衛的悲観主義者は、いわゆる楽観主義者とは、緊張や不安などのネガティブな感情に、効果的に対処する方法が全く違います。悲観主義の中でも不安を上手にコントロールし、ネガティブな結果を想像し、それに備えるために活用しているのが防衛的悲観主義者です。

「未来を拓く」のにポジティブかネガティブかは問題なのではない

方略的的楽観主義と防衛的悲観主義は、ともに課題に対するパフォーマンスが高いことがわかっています。そのアプローチの方法を見ると、「未来を拓く」のにポジティブかネガティブかは、問題ではないということがわかります。

課題に対し、手をこまねいているだけの非現実的楽観主義と一般的悲観主義との違いに目を向けると
「過去のパフォーマンスに対する認知」「課題に対する考え方、取り組み方」自分の課題に対し、どう実際に行動するかということの違いがあると思います。

課題に対し、実際の行動につながるかどうか

自分が向き合うべき課題に対して、実際にどう行動するか。こちらの記事から引用します。

ものの見方はパフォーマンスをどのように変えるのか?(4)

http://chitosepress.com/2017/07/05/2967/

あなたは自分に自信があるでしょうか? それとも自信がないでしょうか? 勉強や仕事などのパフォーマンスが,自分の…

悲観主義者の中にも,物事を“悪い方に考える”ことで成功している適応的な悲観主義者(これを防衛的主義者といいます)の存在が明らかになっています。

心理学において「適応」とは、人間が生活環境に応じて現状に適した習慣・心理に変化し、強い不安や葛藤を感じることなく、周囲と調和して生活することを指します。つまり、「適応する」とは、課題に対して、実際にどう行動するか、行動につなげるかと考えることもできます。

4つのパターンを実際の行動につながるかどうかで分けてみます。

●楽観主義の2つのタイプ
  ①方略的楽観主義(SO:Strategic Optimism)…実際の行動につながる楽観主義
  ②非現実的楽観主義(UO:Unjustifed Optimism)…実際の行動につながらない楽観主義

 ●悲観主義の2つのタイプ
  ③防衛的悲観主義(DP:Defensive Pessimism)…実際の行動につながる悲観主義
  ④一般的悲観主義(RP:Realistic Pessimism)…実際の行動につながらない悲観主義

ポジティブに楽観的に考えることが人生には重要という見考え方が主流になっていますが、ポジティブかネガティブかは問題ではなく、「実際の行動につながるかどうか」が重要であると考えられます。

課題に向き合わず、実際の行動につながらない「非現実的楽観主義」「一般的悲観主義」は、人生で起こる様々な重要な出来事や課題にも向き合わず、静観し、何も行動を起こさないのでどんどん状況を悪化させることが想像できます。

しかも、過去にも行動を起こした経験がないので、過去に課題に対してパフォーマンスを発揮した経験もなく、「過去のパフォーマンスに対する認知」がネガティブに認知するので、これから未来に起こる様々な課題に対しても実際に行動を起こせないという悪循環を生む危険性が高いです。

大切なことは課題に向き合い行動につなげ「未来を切り拓いていくか」

方略的楽観主義と防衛的悲観主義の両方とも、未来に対する異なる見方を持ちながらも、自分の行動が結果に影響を与えるという点で共通しています。

方略的楽観主義者と、防衛的悲観主義者は、それぞれ将来を楽観視するか悲観視するかという違いはあります。

でも、「過去のパフォーマンスに対するポジティブな認知」をし、過去の課題に対しどのように行動し、どのようなパフォーマンスを発揮できていたかという認知から、未来に対する見込みを立て、自分の行動で、未来は変えられる、未来を切り拓いて行けると信じています。

防衛的悲観主義の人は、ネガティブな未来を想像することで、リスクを回避しようとする傾向がありますが、それでも自分の行動で未来を変えられると信じています。

方略的楽観主義の人は、明るい将来を思い描き、自分の努力次第でそれを実現できる、というポジティブな見方をします。それを実現するために実際に行動を起こします。

それぞれ、未来をポジティブに考えるかネガティブに考えるかという違いはあっても、どちらも、具体的な行動を起こし、今できることに取り組み、未来にあらかじめ備える、未来を拓くという点で共通しています。

防衛的悲観主義者はなぜ、自尊心が高く「未来を拓いていける」のか

防衛的悲観主義者はネガティブなのにポジティブな人と同じくらいに自尊心が高いそうです。

その理由について、こちらの記事と、

「悲観主義者」であることが成功や自信につながる場合があるのはなぜか?

https://gigazine.net/news/20200412-benefits-being-pessimist/

物事の悲観的な面に着目する悲観主義はよくないものだと考えられがちであり、世の中には「楽観的に生きる方法」などを教えるセミナーや書籍も存在するほか、楽観主義者は寿命が平均して11~15%長いといった研究結果も発表されています。ところが、シェフィールド大学の心理学者であるFuschia Sirois氏は、「特定のタイプの悲観主義者にはさまざまなメリットがある」と主張しています。

柔道の大野選手の事例から考えていきます。

柔道・大野将平選手 悲観的に自分を見つめ、五輪連覇 五輪メダリストに聞く(中) - 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXZQOUC26AAG0W1A121C2000000/

東京五輪柔道男子73kg級で金メダルを獲得した大野将平選手。トップアスリートはポジティブ思考のイメージがあるが、彼は悲観的に考えることで金メダル獲得につなげたという真逆のアプローチだった。それはどんな考え方で、どのようなトレーニングや稽古を積み、連覇を成し遂げたのか、大野選手の思考に迫った。「金メダリストという肩書は一生消えない」に救われた――前回記事(「五輪連覇・大野将平選手 『勝って当然』に打ち勝つ力」

自尊心 自分への自信

今、日本には自信がないという人が多いような気がします。

でも、ネガティブでもネガティブなことを利用し、自分の課題に対し自信を持って未来を切り拓いている防衛的悲観主義者がどのように行動に結びつけて、自信を持ってパフォーマンスを上げているかが見えてくればとても良い参考になると思います。

悲観主義者は自分に自信がないと考えられがちですが、奇妙なことに、防衛的悲観主義者は自尊心が高いこともわかっています。大学生を4年間にわたって追跡調査した2007年の研究では、防衛的悲観主義者の自尊心が他の悲観主義者よりも著しく高く、楽観主義者と同程度に高かったことが示されています。この理由についてSirois氏は、「防衛的悲観主義者は悪い結果を予想し、それを上手く回避することで自信を深めていったのかもしれません」と述べました。

「絶対に金メダルを取りたい」「負けたくない」という強い信念と動機付け

柔道の大野選手は、オリンピックという目標を設定し、「絶対に金メダルを取りたい」「負けたくない」という強い信念がベースに、徹底した悲観主義が生かし勝ち、高いパフォーマンスにつなげています。

私の場合、常に負けるイメージを先行させ、負けたくないから弱点をカバーするようなトレーニングや稽古を徹底し、勝ちにつなげてきたように思います。

防衛的悲観主義者は“前にもうまくいったし,今度もうまくいく”と思わず、悪いほうへ予想します。でも、考えられる限りのネガティブな結果を具体的にイメージし、やるべきことをとことん実行する。

悪い事態を予想し、不安というネガティブな感情を利用し、モチベーションを高め、パフォーマンスを高めていきます。

ネガティブな気分になった場合に防衛的悲観主義者のパフォーマンスが向上したのは、ネガティブな気分になってパズルが上手く解けないシナリオをたくさん想定し、パズルを解く際により慎重な戦略を採用したからです。この結果は、防衛的悲観主義者が「ネガティブな気分」を利用して、自らのパフォーマンスを向上させるように動機付けていることを示唆しています。

あり得る結果を想定する「前事実的思考」

ウィキペディアでは、「前事実的思考」は、防衛的悲観主義に不可欠な構成要素としています。

前事実的思考(英:prefactual thinking)とは、

人々が将来の状況においてあり得る結果を想定しておく、という認知的方略を意味する。前事実的(prefactual)という語は、1998年、Lawrence J. Sannaによって具体的に造語されたもので、現在を所与として可能である未来を推定し、「ある出来事が起きたとき、どのような結果がもたらされるか」を問う行為のことを表す。

想定される未来に対し、「ある出来事が起きたとき、どのような結果がもたらされるか」を問い続け、あり得る結果を想定しておくこと。

想定された結果はポジティブであっても、ネガティブであっても、望ましくなくともよく、またそのどちらでも無くともよいとしています。

不安をコントロールし、「やるべきこと」を用意周到にとことん準備する

一般的な悲観主義者は、不安を「回避」して何も行動を起こさなくなりますが、防衛的悲観主義者は不安を「回避」せず課題解決に利用します。

不安というネガティブな感情をコントロールし、見えている課題に対し、「やるべきこと」をとことん準備します。

そうして用意周到な準備ができた防衛的悲観主義の人は文字通り,「何が起きても大丈夫」という自信のもとで,積極的な態度で本番を迎えることができます。どんな事態が起きても,それに対処すべき青写真が頭の中にクリアに入っていますので,何も恐れることはありません。まさに不安に打ち勝った瞬間なのです。

やるべきことがはっきりと決められれば、あとはただやるべきことに集中し実際に行動する。
柔道の大野選手は、「あらゆるものを想定内にできた」と語っています。

毎日の稽古で負ける姿をイメージしてそれを防ぐ稽古をし続け、あらゆるものを想定内にできたからこその、金メダル獲得だったと思っています。

自分の未来はコントロールできるという「統御感」が自信をもたらす

方略的楽観主義と防衛的悲観主義はどちらも成功につながりますが、
非現実的楽観主義と一般的悲観主義は、どちらもただ手をこまねいているだけです。

前者の違いと後者の違いは何か。

実際に行動し続けることで培う「統御感」と「無力感」の違いではないかと思われます。

方略的楽観主義と防衛的悲観主義は、自分の感情をコントロールし、用意周到にあらゆる準備し実行することで、あらゆるものを想定内にでき、高いパフォーマンスを発揮する。その繰り返しが「統御感」を生み出し、自分への自信を培っていく。

非現実的楽観主義と一般的悲観主義は、自分に湧いてくる感情をコントロールせず、準備を怠り、行動することも避けることで、目の前に現れる課題解決がイメージできず高いパフォーマンスどころかパフォーマンスも発揮できないので、「無力感」を生み出し自信もなくなっていく。

具体的な行動を取れるのは、実際に人生で対面する課題に対し、実際に行動し続けたことで、自分の人生は自分でコントロールできるという、「統御感」をしっかり持っているから。

自分の人生はコントロールできるという統御感、自己統制感で人生を切り拓いていく感覚を持っているかどうかが大切だと思います。

ポジティブかネガティブかの違いより、人生をコントロールし、課題にどう取り組み、未来を切り拓こうという意思を持って行動するかどうかのほうが大切。

課題に対してどう取り組み行動を起こし、どのようにパフォーマンスを出していったか、その行動と実績の積み重ねが、過去のパフォーマンスに対する認知の違いを生み、自尊心、自分に対する自信につながっているのだと思います。

まとめ

今回、防衛的悲観主義を事例に、「未来を切り拓いていく」のにポジティブかネガティブかは関係なく、課題に向き合い行動につなげ高いパフォーマンスを出していくかが重要だとみてきました。

その背景には、自分の未来はコントロールできるという「統御感」を持っているか、自分の未来はコントロールできないという「無力感」を持っているかの大きな違いがあります。

変化が減げしいVUCAの時代に、自分の未来はコントロールできないと「無力感」を持っている人が多いようです。

経済成長時代の流れで、社会や周囲が引いたレールに乗っかり「他人軸」できたことが大きな要因だと思います。今自分に自信が持てず「無力感」に溢れている人は、その「環境」の中で、「経験」をしてこなかったことが原因です。

だから、自分の未来はコントロールできるという「統御感」を持って行動するためには、安心できる「環境」と小さな「経験」の積み重ねがとても大切だと考えます。

この「環境」や小さな「経験」の積み重ねに関しては、別な記事でフォーカスしていきたいと思います。

この記事のライター

「okinawa未来カレッジ」は、誰もが自分らしい明日へ一歩を踏み出せる、 未来に向かって前進し、新しいライフサイクルを創り出すコミュニティーを目指します。

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